Corporate Training at United Nations

Corporate Training at 国連/United Nations

国連職員の研修にて、シアターワークのプラクティショナーとして、ご協力いたしました。アフリカのある紛争地の現状を踏まえたロールプレイを行うという研修。僕が複数の異なる背景をもつ人物、たとえば、地元の人権活動家、避難民で部族の代表者である人物、現政府の支持者などを演じながら彼らの切実な心を訴えてゆくなかで、そこにどのように対応していくかというワークで、実際に世界各地の現場で任務を果たされている国連職員さんたちとの大変に真剣な場でした。

企業、組織、教育機関、学会、民間等、あらゆる分野において驚くほどに、身体知で僕たちの人間性を学んでいくプログラムがすくないことを実感しており、アーティストとして、シアターワークの実践家として、身体で自分自身や目の前の他者の存在、その感情、経験、記憶、痛みを感じ取り、その心の声に耳を澄まし、それらに慈悲とともに呼応していく身体的な実践ワークを共有させていただいています。平和・紛争解決・和解学での実践、心身のケアとしての芸術療法、リーダーシップ研修等、どの文脈においても、そのアプローチこそ違えど、シアターワークとして大事にしているものは変わりません。

今回は、現場やプレスカンファレンス等を想定とした国連職員さんたちの表現力・対応力を探求する研修でしたが、僕自身が一番気になりましたのは、紛争地等で心身に過度な負担がかかりうる職務を全うされている職員さんたちご自身の心身のケアのことです。見たこと、経験したこと、抱えきれないこと、割り切れないこと、理知的に振る舞うことが必須とされている立場では吐き出せないこと、それらを、何の判断・評価をくだすことなく受容できる場が、その選択肢が、皆さまのためにもっともっと多くあると良いのではと感じております。今後は、Drama Therapyとしてのシアターワークもご紹介できればと思っております。昨日のワークにて、皆さまの様々なご苦労を身体的に実感したため、昨夜の睡眠時は、くるしみながら指で自分の髪をぐるぐる巻きにしてひっぱっている自分に気がついて、目が覚めました。僕自身にもたくさんのケアが必要で大切であるのと同様に、皆さまにもたくさん穏やかな時間が訪れますことを、心から願っております。

Share: