War Memory / 戦争の記憶

ベトナム、カンボジアを訪れて、はっきりと受け取るのは、戦争・内戦の記憶です。土地には記憶が残っています。ある地域、場所に近づくと、かつての紛争による家族の離散の心象風景がよみがえるかのように、悲しみと痛みと温もりの記憶が感情をともなって押し寄せます。田舎の食事、香草、ジャスミンの香り、言語の響き、人びとの表情、この土地の温度・湿度は、不思議と、この心と身体に、人間の記憶と感情を呼び起こすのです。

たとえば、ある香りが、なにかに触れた時の感覚が、自分の心の奥深くを呼び起こすことがあるとして、

たとえば、だれかの言葉や、ある出来事で、穏やかな気持ちになったり、安心したり、幸せを感じたり、はげしく動揺したり、不安になったり、感情が溢れ出すことがあるとして、

それらの体験や感覚は、自分自身の心と身体のことを深く知るのに大きな手がかりを与えてくれているように思います。

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