Keio University / 慶應義塾大学 ノグチルーム

慶應義塾大学 ノグチルームにて シアターワーク

今学期の慶應義塾大学にて、国際センター「心と身体の教育人間学」(井本由紀専任講師)のカリキュラムのなかで、井本由紀先生、内観療法の手塚千鶴子先生のお二方と協同して「心とからだへの気づきの質を高めるための」連続的なワークショップの一環として、シアターワークを行いました。

スウェーデン、スイス、ドイツ、フランス、台湾、トルコ、イギリス、ギリシャ、オーストラリア、イタリア、日本という多国籍で、留学生が多く、あらゆる授業を英語で進めてゆくクラス。究めて頭脳明晰で語彙が豊富な彼らが、机・椅子から立ち上がって、心と身体を起こして開き、ワークに参加し、体感し、そののちに、身体の感覚や心の実感をともなった言葉で語り始めた時、理論と実践が融合してゆく一つの素晴らしい塩梅を見ることができました。

学期を通じたあらゆるワークのなかで、自分自身に合うものを見つけたり感じたり、参加すること・体験することをためらったり、はずかしく思ったり、おもいきって心身を開いてみたら、自分自身や他者についての新しい気づきを得たり。シアターワークでは、そのあらゆる体験、その芽生えたあらゆる感覚や気持ちを、よいわるいと分けることなく等しく尊いものとして受容していき、まず最初に自分自身との和解と調和を目指しています。

学期の最後には、学生たちによるプレゼンテーションがあり、そのなかには自分たちでワークショップをデザインし発表の場で実際にワークショップを施すグループもあり、最後は僕自身も参加者となって彼らのワークショップを受けました。本当に繊細で心に優しいワークで、自分自身や他者のVulnerabilityに触れた人は、こんなにもやわらかく、容易に人の気持ちや存在をジャッジすることのないワークをつくるのだなと感銘を受けました。その場では、僕自身にとっての新たな気づきや学び、そして癒しがありました。写真にある絵は、メディテーションを行ったあとに、各々が与えられた詩を朗読して、その後に心に浮かんでいるものを白い紙に描き表現するという、あるグループのワークショップを受けて、僕が描いたものです。とても穏やかで平和な午後でした。

ワークショップで出会うあらゆる感覚や気持ちは、自分自身や他者、そして、この世界を観察し学んでいくうえで、多くの示唆を与えてくれていると思います。

慶應義塾大学での学生たちとの出会い、そして、両先生との出会いに、心より深く感謝いたします。ありがとうございます。

来たる3月10日、井本由紀先生(慶應義塾大学専任講師・人類学者)、手塚千鶴子先生(心理学者)と僕の三人を案内人として「Naikan, Collage and Theatre Workshop ~ Sailing into and beyond ~」という、ボディワーク、内観、コラージュ、シアターワークを組み込んだワークショップを開きます。ご興味のある方は、ぜひ ご参加ください。逗子にて、波音を感じながら、穏やかな1日をすごしたいと思っております。https://contemplativelearning.jimdofree.com

 

小木戸 利光

 

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